踊る織田裕二

October 19th, 20121:11 am @

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踊る織田裕二

「踊る大捜査線 FINAL」を観て来た。感想は?と聞かれたら、郷愁という言葉、一言に尽きるかもしれない。僕はあまり日本のドラマを観ないのだが、「踊る大捜査線」は最初から最後まで観た、しかも興奮しながら観た二つのドラマのうちの一つだろう。(もう一つはロンバケです。)

映画の冒頭で流れるオープニングタイトルクレジット(人の名前が出て来るヤツね)で、過去の踊るシリーズの映像を再編集して格好良くまとめた映像が流れるのだが、もうその時から僕は懐かし過ぎて映画どころではなかった。正直、今回のストーリーは無茶がありすぎて、なんだか納得いかない部分が多かったが、そんなのは通り越して僕は別の次元で

楽しんでいた。ドラマを興奮して観てた中学時代にタイムスリップしてた。

まずなんといっても松本晃彦さんの印象的なテーマソング。琴をデジタル音にしたようなイントロから、じゃんじゃんじゃんじゃん、流れて来るオーケストラのカッコ良さと言った筆舌に尽くしがたい。いい映画とはいいテーマソングがあって初めて成り立つというくらい、映画にはテーマソングが重要だ。007も、スタンドバイミーも、ジョーズも、スターウォーズも、インディアナジョーンズも、みんな題名聞くだけで、テーマソングが流れてくる。オープニングの部分は結婚式の映像で相当使われてるのも納得。

そして勿論、織田裕二。彼の不器用な姿とか、困った時に口をぱくぱくさせる姿とか、哀愁漂う背中とか、織田裕二は日本にいる数少ない映画スターだなあと改めて確信させる。それと深津絵里と柳葉敏郎。深津絵里のツンデレな感じとかに10代の頃は憧れてた。柳葉さんを観ながら、自分はどちらかというと青島より室井だろうなと思いながら共感してみたり。

僕なんかがこんな事言うのはおこがましいが、ストーリー以外で残念なところを上げるとすれば、空撮の画質があまり良くなかったことと、ところどころのCG(トラックやヘリコプターなど)がラフ過ぎたのが目立ったことかな。

エンドロールに流れるLove Somebodyは何度カラオケで歌って、音痴と言われたか分からない。すごい好きだったなあ。あんましCDを買わない僕が思わず買ってしまった。この曲ばっかり聞いてたら、「うぜえ」と、空手部に入ったばっかの兄貴に突然後ろからローキックをかまされ、泣いたのも覚えてる。(当時はよく兄貴に泣かされてた)

そんな思い出いっぱいのエンディングテーマと共に、いかりや長介さんの昔の写真を観たときは、もう目頭熱くなって、なんか中学時代とか色々と懐かしくなってなんかよく分からない涙が出た。

映画の楽しみ方はたくさんある。映画という魔法の乗り物のお陰で時間が遡ったかのような錯覚に落ち入る事ができた。こんな風に懐かしい思い出一杯にさせてくる作品とは中々出会えない。踊るの映画を4まで作った事に対する賛否両論はあるが、僕は感謝してる。

そして兄貴にあの時喰らった理不尽なローキックのお詫びとしてラーメンをおごってもらおう。

時に映画は思いがけない贈り物をしてくれる。