子供の時からネイチャー系の作品は好きだだったので、「ライフ」という映画を観た。今は興行成績は第二位。先週は一位だった。日本ではこういうネイチャー系が興行収入一位になる事が何年かに一度はある。きっと自然や動物好きな国民性が出ているのだろう。予告を見ていたし、だいぶ期待していっただけに、正直それほど凄くはなかった。
なにより始めのテロップからしてすごく押し付けがましい感じだった。教育的要素を全面的に押し出している映画は僕はあまり好きではない。「人間以外の生物は生き残るために頑張っています。さあ皆さんも頑張りましょう」という感じのテロップで始まって終わるのだが、文字でテーマをわざわざ言わなきゃ観客が分からないのならば、映画じゃなくて絵本にした方がいいのでは?と思う。中身は結構感動出来る内容になっているだけに残念だった。一つ一つの映像が非常にきれいで動物達の生き様は勇気を与えてくれるものだったが、僕はむしろ膨大な手間と時間が懸けられて作られているという部分に感動してしまった。この一つのショットを撮るために一週間くらい耐えていたんだろうな、とか、機材はどうやって運んだんだろうとか、この瞬間を取れたカメラマンの喜びは計り知れないだろうなと考えながら見てたら、目頭が熱くなった。ちなみに友人でこういう関係の仕事をしている人曰く、動物虐待的な事をしている時も少なく無いという。捕まえた動物をカメラの前で無理にやらせた方が効率的な場合もあるからだ。だから見てて、このショットは獲物をわざわざ目の前に放って、無理矢理食わせたんだろうなとか、何匹かのクジラのショットを合わせてあたかも一匹に見せてるんだろうな、というシーンも多々あった。別に良いとか、悪いとかではないけど、なんか見ててそっちの方が気になってしまった。
僕は小さい頃、よくディスカバリーチャンネルのレーザーディスクを見てた。自分の想像を超えた広い世界に憧れ、未知なる発見を求めて冒険する事を夢見た。いつの間にか、目の前にあるものを単純に感動する事を忘れ、大人の裏事情を理解するようになったという事実に気づかされた映画だった。今でも自分でカメラを持って行った事のない場所へ行く時には興奮するが、映画を通して同じ興奮を味わうことはもうないのかもしれない。
September 13th, 2011 → 12:43 pm @ admin
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