手紙
2時に寝たのに、時差ボケで朝六時にはお目目ぱっちりなので、ブログを少々。
ロスに戻ってくると手紙の山だった。ジャンクメールというのか迷惑メールというのか知らないが、基本的にそういう部類の手紙が大多数だが、それに埋もれて一枚のクリスマスカードが目に留まった。宛先を見なくても、字を見なくても、すぐに誰だかわかった。
渡米してから今年で10年目になるが、この10年間、毎年必ず誕生日の手紙とクリスマスカードを書いてわざわざロスの僕の住所宛に送ってくれるからだ。僕も毎年返信しているが、郵送ではなくメールの時もあるし、出せてない年もあったりした。
自分で言うのもなんだが、僕はどちらかと言えば筆まめな方で、普通の人よりは手書きの手紙を好んで書く方だ。しかも字が非常に汚い。ただ、手紙を書くからこそ分かるが、継続的に、定期的に誰かに手紙を送るという事は非常に手のかかる事だと知っている。だからこそ毎年届く手紙を見る度に、感謝の気持ちで一杯になるし、自分の事をいつも応援してくれる文面にはすごく勇気づけられる。
手紙を出してくれるのは、僕の高校時代のカフェテリアのおばちゃんだ。
すごく上品な人なので、カフェテリアのおばちゃんというと語弊があるが、当時からいつもかわいがってくれて、大盛り券無しにいつも大盛りにしてくれてたし、放課後遊びに行くと僕のために特別ケーキを用意してくれたりした。若い頃、渡米経験がある彼女は、僕が日本の大学に進学せずにアメリカで映画監督を目指すという馬鹿げた夢を誰よりも親身になって聞いてくれてたし、絶対夢を諦めるなと鼓舞してくれた。手紙を書くから向こうで住所が分かったら教えてくれと言われ、以来、彼女はこの10年間欠かさず手紙を書いてくれるし、僕の映画が日本で上映がある度に来てくれている。
僕のような不安定な職業を志す人間にとって、常に応援してくれる人の存在は計り知れないほど大きい。そういう方達が居てくれるからこそここまで来れたし、そういう方達のためにも更に頑張らないといけない、と手紙が届く度にいつも思う。この場を借りて、彼女にお礼が言いたい。無謀な夢を追いかけ続ける僕の事を信じ、毎年、毎年、素敵なお手紙を送って頂き、本当にどうもありがとうございます。
次に手紙が届く頃には、僕はもっと良い監督になっていたい。
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