神様のカルテ
集中することは、「何か一つに対してYESというのではなく、他の全ての事にNOという事だ」と、リンゴの会社の社長は言った。
崖っぷちに立たされている僕は、とりあえず年末まで映画以外の事にNoと言って集中しようと思う。
というわけで、早朝、神様のカルテを見て来た。今週興行収入第2位の映画は良い意味ですごく日本映画だった。
批評ではなく個人的な感想ですのであしからず。
ストーリー構成:ハリウッド的な3部構成ではなく、どちらかというと「スライス オブ ライフ」という類いで、(日常生活を切り取ったもの)
特につながりもなく起っていく出来事を主人公の目線で追っていくタイプだった。
展開:僕の好みとしては少し遅過ぎだった。たくさんおもしろくなりそうな種を撒いてはいたが、ほとんど未回収か不完全燃焼に終わっていた気がする。
演技:主人公の台詞があまりに現実離れした口調なので、これを上手く演技するのはたぶん無理だろう。にもかかわらず櫻井さんは良い所まで持って来れていたと思う。何人かを除いて脇を固める人のほとんどが良い味を出してサポートしていたのがよかった。
フレーム:これは好みが非常に偏るところだが、僕の好みとしてはフレーミングがものすごく中途半端だったと思う。全身がショットに入れるべきところで足クビが切れているとか、クロースアップで頭の上部を切っているとことか、もう一歩下がるか、もう一歩進んでもいいんじゃないでしょうか?思いながら見てた。
音楽:悪くはないが、ちょっと普通過ぎた気がする。
音:メインの台詞はアフレコがなかったんじゃないかと思わせるくらいよかったが、効果音と周囲音が寂し過ぎた。それと画面外のエキストラのアフレコが、マッチしてなさすぎて目立った。
映像;珍しくフィルムで撮られた映画だった。(ときどきデジタルのショットはあったかもしれないが、多分フィルムで撮られている)医師の話なので、白がメインの色なのだろうが、意図的にしても光がレンズに入って画面が白っぽくなりコントラストを薄くしているのが異常に気になった。
宮崎あおい:かわいい。
櫻井さんと宮崎さんが全面的に出てるのでラブストーリーだと思ってたが、全然違ったのに拍子抜けしてしまった。僕の勝手な勘違いだったが、なんとなくラブストーリーが見たかったなあ。「500日のサマー」を最近見たが、あの映画は本当にいいので見て下さい。監督は今新しいスパイダーマンをやっているところです。しょうがないから、自分でラブストーリーを書こうかな、苦手だけど。
「集中」して得れることは、そのために犠牲にしてしまったことの価値があるかどうかは分からないが、とりあえずは達成してから後悔することに決めた。
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