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村上春樹と結婚式

村上春樹の作品は実はそれほど好きではないです。エッセイである「村上ラヂオ」も読んだし、小説も全部じゃないけど結構読みました。エッセイはとても日常的な感じがして共感が湧く部分はあるもののエンターテイメント性にかける気がするし、小説の方はちょっとぶっ飛んでて非現実な世界があたかも現実にあるようないわゆる村上ワールドはたまに「?」という感じで読んでたりします。エッセイも小説も、同じ村上ですが龍さんの方が好きです。ただ、人間性として(別に個人的に知らないので、人間性というと語弊がありますが)もしくは人格として村上さんに敬意を抱いています。彼のイスラエルでのスピーチもスペインでのスピーチも震災後に放ったメッセージも、どれも心にジーンと響くものがあり、こういう事を言えるカッコイイおじさんになりたいと思います。いつか一度会ってみたい人の一人です。

僕は本は週に1冊、2冊読みますが、小説はあまり読みません。2、3ヶ月に一冊程度でしょうか?この前「ノルウェーの森」を映画で見たので改めて本を読みたいな、と思いつつ、まだ読んでません。なぜなら、本の中に出て来る性描写がこっぱずかしいからです。なんかエッチな場面があると、こんな生々しい事を書いていいのか?と赤面し、一人で読んでても周りを見回して一人でいることを再確認しちゃいます。電車の中で読むなんてとんでもないです。なら読み飛ばせばいいじゃないかと、思うかもしれませんが、性格上、一字一句しっかり読まないと気が済まないので、余計意識しちゃって非常に居心地の悪い気分になります。余談ですが、高校時代同級生の女の子に三浦綾子さんの「氷点」を薦められ読みましたが、あの子はこんなのを読んでるのか!と過激な内容に衝撃を受けたのを覚えています。

村上春樹の小説はそんなに好きではないと言いましたが、それでも「ノルウェーの森」に大好きな台詞があります。下記、引用。

「どのような真理をもってしても愛するものを亡くした哀しみを癒すことはできないのだ。どのような真理も、どのような誠実さも、どのような強さも、どのような優しさも、その哀しみを癒すことはできないのだ。我々はその哀しみを哀しみ抜いて、そこから何かを学びとることしかできないし、そしてその学びとった何 かも、次にやってくる予期せぬ哀しみに対しては何の役にも立たないのだ。」

前に悲しみを経験をしたとしても、次の悲しみは決して軽くならないわけです。なんか哀しいことがある度にこの言葉を思い出し村上サンは良い事言うなあと感心したりします。月並みですが、結局僕らとは無関係に流れていく実在の無い時間だけが、傷を少しずつ癒してくれるんだと思います。

ただ、喜びについても同じ事が言えるのではないかと思います。前に経験した幸せは、今日の朗報の喜びを薄めるわけではないですし、この前友人の結婚式に行ったからといって、来週行く友人の結婚式に出席する喜びに変わりはないわけです。

さてスピーチの練習しようかな。今から緊張する。

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